クリスマスカラーとクリスマスツリー「色彩心理」で読み解く女性心理とマーケティング

クリスマス・ツリーやクリスマスのディスプレイには、赤・緑・金・白といったクリスマスカラーの定番色や、時代とともに新しく生まれる冬の色、流行色なども使用されています。

クリスマス時期には、PRやプロモーションに色彩の性質がさまざまに活用され、私たちを魅了しています。

 

カラーから受けるイメージと心理へ及ぼす効果からタイプ別にグルーピングし、「クリスマスカラーの秘密」をお伝えします。

色彩心理の専門家による、カラーマーケティングにおける女性(消費者)心理への訴求ポイントです。

クリスマスツリーは全体の色と、オーナメントの個々の装飾とで構成された造形美です。

その色はテーマに沿ったものであり、オーナメントのモチーフが表す意味にまで気を配ることが大切です。

飾り付けとその過程には心躍り、女性が自分自身を着飾り、自己表現することと似ています。 

クリスマスツリーのカラーによるグルーピング

 クリスマスのシーンでの色の表現について、色彩心理の視点によるツリー(ディスプレイ)のタイプ分けによるリサーチです。

赤と緑の配色

最も広く知られている配色です。

聖書に基づき、赤はキリストの血の色・神の愛の色。緑は常緑の柊ともみの木から、永遠の命・永遠の愛という意味があります。これらの色は、クリスマスに「物語性」と「普遍性」をもたらします。

 

 

白一色

上記の2色に加えられるのが白で、雪のイメージとピュアで純真・清潔感があり、クリスマスを象ったオーナメント(モチーフ)を引き立てます。

ホワイトはボリューム感を与える色ですが、主張しすぎることはありません。

クラシックなイメージと、シンプルでスタイリッシュの2つのタイプを作ることが可能で、背景色としても活用できます。

 

 

ゴールド一色

ショッピングモールの屋外などの広い敷地のイルミネーションに金色でまとめられたものが見受けられます。

金色はベツレヘムの星であり、ツリーのトップを飾ります。

一色で用いると、格調の高さと夜空に浮かぶ星をイメージさせることができます。

ゴールドは光、輝き、栄光という強い意識を見る人にもたらします。

 

 

青一色

LEDによる電飾が販売されるとイルミネーションとして圧倒的な速さで受け入れられた、クリスマス色での新しい輝きの色です。

「クリスマスは暖色」という観念を覆し、冬に冷たく感じられるクールで清冽なイメージのブルーは意外性と新鮮をもたらします。

甘さがないため、大人の男性も同調しやすい色でもあります。

 

 

ピンク一色

ピンクのツリーは、アパレルやコスメ、インテリアのショップで見かけるようになりました。

雪の白も適度に加味された淡いピンクは甘目、ガーリーな「女子」を演出します。

ツリーの色自体にロマンティックな要素が強いため、モチーフは多用せず、複数のツリーによる空間演出も絵になります。

クリスマスカラーとクリスマスツリーの色の意味・色彩心理カラーマーケティング

クリスマスツリーの色彩の特徴的なポイント

1色でまとめられたクリスマスツリーが増えている理由として、ツリーの形や大きさや全体像へ注目を惹くという考え方があります。

 

ショッピングモールや再開発の街づくりなどの際に、景観を損なわずに最大限に美しく映えることを狙っています。遠目にもツリーが美しく見えることが意識されています。

逆に、多くの色がツリーに使用されている場合は、オーナメント類が充実していると言えます。

モチーフに思いを重ねる時、ひとは個人的な思い出や守るべきものが浮かびます。オーナメントでずっしりとしたツリーの存在感には、人生の豊かさも感じられます。

クリスマスの過ごし方・とらえ方

クリスマスとは華美なイベントではなく、日常に宿っているものを大切に、クリスマスを家庭で祝うことをツリー自体が静かに伝えているかのようです。欧米ではクリスマスに対してこうした意識が主流です。日本でも、女性が仕事や個人の状況によって決める、または静かに家庭で過ごすという意識も広まっています。

 

変らぬひとの想いを表す色彩があり、多様化したライフスタイルと自己の表現が共存。クリスマスツリーにもそれが表れているのかもしれません。

 

個人の想いと社会への配慮と、全体としてのバランスをとりながら生きる、それが可能な時代となっています。